何年か前まで「デザインは専門知識のある人が専用のツールを使ってつくるもの」でしたが、今は違いますよね。個人のSNS投稿でも仕事の資料でもデザインは必要ですし、簡単に使える無料のツールもたくさんあります。
「もっとよくしたいけどどうすれば?」と悩むこと、よくあります
見せ方の工夫をするには、デザインに必要な構成や最低限のルールを知っておくと格段によくなります。すぐ実践したい人向けに、フルカラーでデザインサンプルが多く、パッと参考にしやすい本を集めました。
私は紙の本も好きですが、より便利な電子書籍を買うことが多くなりました。デザイン関連の本は紙版しかない場合もありますが、今回は電子書籍版も用意されている本の中からおすすめを紹介します。
センスがなくても大丈夫! まねるだけで伝わるデザイン
センスがなくても大丈夫! まねるだけで伝わるデザイン【電子書籍】[ 深田美千代 ]
デザインをはじめる前にまず考えるのは、「何」を「誰」に伝えたいか。それらを明確にしたら「どうやって伝えるか」を考えます。
いきなり白紙の状態からイメージするのって大変ですよね?そこで活躍するのがこちらの本。「こんな人に伝えたい」「こういうことを印象づけたい」など自分のイメージする結果からデザインの”お手本”を探せます!
まずはお手本を見つけてまねして自分でやってみること、そこがスタートラインです。美術で勉強のためにする”模写”がありますが、似たような感覚です。
アウトプットのための実践的な内容からはじまり、最後のセクションではデザインの基礎も学べます。教科書的にしっかり学ぶよりも、やってみながら学びたい人にピッタリです。
デザインは、はじめに目的やターゲットを明確にし、構成を考え、最後にどうやって表現するかを決めます。その思考の流れを、順番にやってみれる内容になっています。
実践しながらデザインについて知り、短期間でプロっぽいものをつくりたい人
オノマトペでピンとくる! ひらめき配色図鑑
オノマトペでピンとくる! ひらめき配色図鑑【電子書籍】[ FLAMINGO STUDIO INC ]
表現のしかたがイメージできたら次は配色です。こちらの本は、感情や感覚を「オノマトペ」で表現し、その雰囲気をパッと見て感じられる配色を提案しています。
ものの音や声などをまねた擬声語(ざあざあ、じょきじょきなど)、あるいは状態などをまねた擬態語(てきぱき、きらきらなど)をさすことば。
引用:「オノマトペとは」コトバンク
「ドキドキ」「ほんわか」などのオノマトペ別で、デザインサンプルとともに配色を確認できるようになっています。
最初に4〜6色の配色サンプルがあり、そのままお手本として自分のカラーパレットに活用できます。カラーバランスのグラフも掲載。ベースカラーやキーカラーの配分はけっこう悩むところなのでありがたいです!
2色や3色での組み合わせサンプルもあり、自分では思いつかなかった意外な組み合わせが見つかることもありますよ。
自分では思いつかない配色のアイディアがほしい人、感情を色で表現したい人
イメージをパッと形に変えるデザイン大全
イメージをパッと形に変えるデザイン大全【電子書籍】[ 尾沢 早飛 ]
「ピュアな雰囲気で」「インパクトある感じで」など、イメージを人に伝える際は抽象的になりがち。どうすれば頭の中のイメージをうまく言葉にできるのか、イメージをどのようにビジュアル化すればよいのか、悩むことがあると思います。
そんなとき参考にしたいのがこちらの本。「カジュアルなデザイン」「サイバーなデザイン」のようにイメージワードで分類され、サンプルデザインや表現方法のポイントがまとめられています。
自分でデザインをつくる際のアイディア集としても、抽象的な表現をカタチにする際のヒントにもなります。また、依頼する側としてイメージを伝えたいとき、どのように言語化すればよいのか、逆引きでの使い方もできます。
例えば、本の中のサンプルデザインを見てイメージとあうものがあれば、イメージに名前をつけることができます。本にあるイメージワードで言語化し、複数の人で共通認識をもつのに役立ちます!
こちらの本は、デザイン制作にかかわる人向けの内容がメインです。しかし、個人の発信機会が増えた現代では、デザイン力が必要とされる場面も増えていますよね。デザインの仕事以外にも活用できる本だと思います。
抽象的な表現をビジュアル化するために、アイディアのヒントがほしい人
「伝わる」のはどっち?プレゼン・資料が劇的に変わるデザインのルール
「伝わる」のはどっち?プレゼン・資料が劇的に変わるデザインのルール【電子書籍】[ 渡辺克之 ]
次に紹介するのは、仕事で資料作成が必要な人向けの本です。「基礎からデザインを学びたいわけではないけどつくらないといけない人」にも参考になると思います。
「よりよいデザインはどっち?」と、2択のクイズ形式でサンプルデザインが出てきます。まずは自分でどちらがいいのか&理由を考え、答え合わせをしながら学べる本です。
よい例と悪い例の比較があり、最低限のデザインルールがサンプルデザインとともに説明されています。これを知っておけば色々な資料作成で活用できる、というポイントがまとまった本です!
レイアウトを実際につくっていくために「パワーポイント」の操作方法が説明されたページもあり、ソフトウェアの使い方も一緒に学べます。
プレゼン資料や提案書など作成する必要があり、より伝わる工夫をしたい人
最後に、デザインの本ではないけど参考になる1冊を紹介
感情ことば選び辞典
デザインで伝えたいイメージを考えるとき、人にどのように伝えるかを考えるとき、言葉はとても大事です。自分が言葉で思いつかないものは、表現しにくいからです。
そこで活躍するのがこちらの本。感情キーワードから、言葉を選ぶための辞典です。
一つの感情キーワードに対して、それを表現する単語と例文がリストになっています。カタカナ語、やわらかい言葉、オノマトペの例が出ていることもあるので、表現の幅が広がります!
デザインなど表現力が行き詰まったときは、この辞典で言葉をながめているとアイディアがわくこともあります。自分なりの使い方を見つけるのも楽しいですよ。
より豊かな表現のために、語彙力を高めたい人
まとめ
デザインをよりよくするヒントになり、ざっと基礎を学べる、という視点で参考にできる本を紹介しました。
昨今、誰もが手軽に様々なものをデザインし、発信できるようになっています。よいものもそうでないものも、とにかく情報があふれていますよね。そういう時代だからこそ、「お手本」や「基礎知識」の大切さをより感じます。
学生時代にグラフィックデザインを学んだ経験から、「お手本として使いやすい」「最低限このルールは必要」など、内容がわかりやすく実践で”使える”本を選びました。ぜひ参考にしてみてください!